- 派遣のインフラエンジニアは底辺ブラック?
- 正社員と比べて給料待遇はどう?
- 学歴は高卒でITの資格もなし…。インフラエンジニアになりたいけど派遣から始めるってあり?
今の年収に不安を感じていると、IT業界に転職してみようと考える方が多いと思います。
ですが、上記のように「ITはブラック」「インフラエンジニアは底辺」などのような言葉を見て不安を覚えたことは無いですか。
私もインフラエンジニアになる前はITとは全く関係の無い業界にいたので、上記のような悩みや不安を抱えていました。
しかし実際に働いてみると、世間で言われているような実態とはかけ離れていると感じます。
この記事では、派遣のインフラエンジニアとして5年間働いてきた私が実体験を踏まえて本当にインフラエンジニアは底辺なのかを解説していきます。
過去の私と同じように、もし今の職場に不満を持ちつつもIT業界に対して不安を感じているようならぜひ読み進めてください。
この記事を書いた人
東京都内で働く派遣インフラエンジニアです(30代後半)
コールセンターでテレアポ派遣をやっていましたが「この仕事では10年後は食っていけない」と思い、手に職をつけるためにIT業界専門の派遣エンジニアに登録しました。プログラミングをゼロから勉強しながらの仕事探しでしたが、未経験OKの職場に入ることができ、年収はコールセンター時代の300万から420万にアップ。現在は上場している広告系の会社で情シスでMDMの管理、PCのトラブル解決、マニュアルの作成などを担当しています。
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この記事の目次
派遣インフラエンジニアが「底辺」とネットで言われがちな理由4つ
ネットなどで「ITはブラック」「インフラエンジニアは底辺」と言われることもある派遣インフラエンジニアですが、なぜこのような事が言われるのでしょうか。
派遣インフラエンジニアが「底辺」とネットで言われがちな主な理由は以下の4つです。
- 下流工程で年収が低い
- 文系や未経験でも採用されやすい
- 夜勤や休日出勤が多い
- 正社員SEと比べた場合のデメリット
上記の主な理由4つについて詳しく解説していきます。
1. 下流工程で年収が低い
ネットで派遣のインフラエンジニアについて調べてみると「下流工程を任されることが多いから年収は総じて低い」という意見をよく見ます。
なぜ下流工程を任されることと、年収が低いことがイコールになっているのでしょうか。
それは下流工程と上流工程とでは求められるスキルや専門性、希少性に差があるからです。
上流工程なら年収は高いの?
上流工程は、システム開発・設計において最初に行う業務で専門的な知識や高いスキルが求められます。
上流工程に分類される作業は、以下の通りです。
- 要件定義
- 機能定義
- 構成管理
- 計画立案
これらはプロジェクトの土台となるものなので、高いスキルによって緻密に作成していく必要があります。
高いスキルを持つ人は希少性も高いため、上流工程が担当できる人は年収も高くなるのです。
下流工程は仕事内容が簡単な分、給料が安い
下流工程に分類される仕事は、システムの運用保守やテスト業務などがあります。
あらかじめ作成された要件や設計に基づいて作業するため、
上流工程ほど専門性も高いスキルも求められないので年収も低くなってしまうのです。
ゼロからプロジェクトを作成する上流工程とは違い、
すでに出来上がったものに基づいて作業をする下流工程は責任も問われることはあまりありません。
高いスキルや専門性そして責任が求められづらいという理由で、上流工程に比べ下流工程は年収が低くなりがちです。
特に、インフラエンジニアは下流工程の中でもより簡単な作業を任されやすい場合があることを知っておいてください。
↓例えば、こういった業務を任される場合があります。
- Excelでのデータ集計
- 簡単なシステム操作
- PCの在庫管理作業
マニュアルや事務系のスキルが多少あればなんとかなるので、
こればかりを繰り返していてもITスキルの向上はできないでしょう。
ただし、全ての派遣先の現場で下流工程しか任されないというわけではありません。
使う派遣会社によっては、上流工程から入れる現場を紹介してくれることもあります。
2. 文系や未経験でも採用されやすい
派遣のインフラエンジニアが「底辺」と言われる理由には、文系や未経験者でも任されやすい仕事をするためだと言われています。
実際、私もプロフィールで書いた通りコールセンター業界からの転職でした。
過去の派遣先や現在の派遣先の同僚にも、IT系からかけ離れた業種・業界から転職した人達が多かったです。
この文系や未経験でも入りやすいということがなぜチャンスなのでしょうか。
それは、未経験者でも仕事をしていくうちにスキルアップすることが望めるからです。
インフラエンジニアはITシステムの土台となる部分を担当するため、需要が尽きることは有りません。
ですから、一概に底辺だと言うことはできないでしょう。
未経験者でも仕事を成功させた私の経験談
実際、私は社内システムの新規導入プロジェクトを1から任され完走した経験をお話しします。
そのPJでは導入するシステムについて、ガントチャート(工程表)を作成しました。
人生で初めてガントチャートを作成したのですが、
作成するにあたって各作業がどれくらいの期間かかるのかの予測をつけるため、
ベンダー(システムの提供元)に何度も問合せをして作業のイメージをつけました。
この経験からわかるとおり、成長することだって可能なのです。
派遣先の上司から高い評価を受けましたし、派遣元の営業からも絶賛されました。
3. 夜勤や休日出勤が多い
インフラエンジニアの求人情報を探すと、以下のようなこと書かれている求人を見かけたことはありませんか。
- 24時間365日シフト制
- 休日出勤の可能性もあり
こういった求人からインフラエンジニアは夜勤や休日出勤が多いイメージを持たれてしまうのです。
しかしながら、私が今まで派遣された現場はカレンダー通りに休めました。
このように365日24時間の現場ばかりではありませんし、使う派遣会社によっては休日出勤や土日出勤も無い現場を紹介してくれます。
派遣としてインフラエンジニアに入る場合は使う派遣元をしっかり選定すると、安心して働き始めることができますよ。
4. 正社員SEと比べた場合のデメリット
派遣SEのデメリットは、仕事の裁量権が与えられにくいということが挙げられます。
責任を求められるような業務は基本的に正社員SEが担当することが多く、派遣SEはその正社員SEの下で働きます。
そのため、責任を求められない仕事を任されることが多いのです。
責任が軽い仕事が多いと聞くと、楽でストレスが少ないように見えます。
ですが、その分スキルアップに繋がりにくいという側面もあります。
私が裁量権が与えられにくいと思ったエピソードをご紹介します。
以前働いていた情報システム部門では、業務効率化のため社員からの問い合わせに返信する際のメールをテンプレート化していました。
そのテンプレートを作れるのは正社員で、対応する方針やメールのテンプレートの文章をメールで送るだけで派遣社員は作る権限を与えられませんでした。
派遣社員はテンプレートに対する意見は言えても、新しく作ったり作成しなおしたりすることはできませんでした。
この経験から、私は派遣社員って裁量権が無いよなと感じました。
裁量権もらうには派遣会社選びが大事
先述したように派遣先によってはプロジェクトを1から任してくれるようなこともあり、一概に裁量権が与えられないわけでありません。
そしてそういう仕事ができるかどうかは、どの派遣会社を選ぶかによって変わってきます。
いい案件は営業力が強い派遣会社が獲得してしまい、営業力の無い派遣会社はブラックな現場を得ることのほうが多いからです。
私自身、営業力が低い派遣会社から紹介された派遣先は、ブラックだった経験があります。
業務内容がわからないので色々質問をすることは当然ですよね。
ですが、私は派遣先で働きはじめてから2週間後に「いろいろ質問が多いので1ヶ月目で契約を解除します」と言われて派遣切りにあったことがあります。
それ以来、派遣会社選びは慎重になりました。
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派遣インフラエンジニアが「底辺落ち」しないために身につけおくべき3つのスキル
これからご紹介するスキルは派遣インフラエンジニアとして底辺落ちしないために必要なスキルとなります。
- 運用・保守・開発などに必要なITやPCについての知識
- 相手と円滑とやり取りできる交渉能力
- 【最重要】派遣会社を使いこなすスキル
この3つのスキルが無ければどこの派遣先でも「使えないやつ」の認定をされて、すぐにクビをきられかねません。
5年間SEとして働いてきて3つのスキルを持ち合わせていない人が切られていく姿を見たからこそ、そう言えます。
詳しく説明をしていきますので、ぜひ続きをお読みください。
1.運用・保守・開発などに必要なITやPCについての知識
インフラエンジニアとして働くなら、ITやPCの基本的な知識は必要です。
ここに挙げる知識やスキルはインフラエンジニアとして日常的に必要になります。
- DHCP、固定IPの違い
- WindowsOS、MacOSに関する知識
- Excelの関数の知識
- WordやPowerPointでの資料作成スキル
例えば新規でネットワーク機器を設置する際に「今回はDHCPではなく固定IPで振り分けたいので、その設定をしておいてください」という指示があったとします。
この時、DHCPや固定IPの違いがわからないとそもそも業務に取り掛かることができません。
そういったことが無いように知識やスキルを積極的に得ようとすれば、底辺落ちするようなことはありません。
2. 相手と円滑とやり取りできる交渉能力
交渉能力はできることとできないことをはっきりさせ、できないことまで請け負わないようにするために必要です。
インフラエンジニアはお客様が実現したい要望を、しっかり実現できるようにすることを求められます。
ですが、要望はあくまで要望です。
クライアントはできるかできないかまでは考えずにこちらへ伝えてきます。
クライアントからの要望だからといってできないことまで引き受けてしまうと、クレームに繋がりかねません。
どのように話したら、できないことを伝えたうえで業務を引き受けられるのかを考えられる能力が必要になってきます。
今働いている情報システムであった話ですが、ブラウザで動作する文章生成AIを使って営業資料を作成したいとうリクエストをもらいました。
そのAIを使うにあたって会社で作成したアカウントではなく、プライベートのアカウントを使っていいかと聞かれたのです。
ですが、その場合の情報漏洩リスクがわからなかったので丁重に断りました。
断る際は営業の力が強い会社だったので、言葉選びは気を使いつつ「情報漏洩の可能性がある」ことを強調しつつ断りました。
このように、できないことを伝えたうえで業務を引き受けられるのかを考えられる能力が大事ですよ。
3.【最重要】派遣会社を使いこなすスキル
未経験者でもOKなのがインフラエンジニアなのですが、未経験者であるからこそ劣悪な派遣会社の餌食にされやすいです。
今の日本には派遣会社が非常に多くあり、優良な会社もあれば劣悪な会社もあります。
そのため、派遣会社選びに失敗して底辺ブラックなインフラエンジニアになってしまう人も珍しくありません。
実は、私もブラックな派遣会社を選んで失敗してしまった経験があります。
次の派遣先を探している最中に腕を骨折してしまい、腕つりで固定をしていました。
骨折をしてしまったことは派遣会社の登録時に伝えていたのですが、
いざ面接の日になり同行する営業マンと合流したときに次の一言を言われました。
「その腕どうしたんですか?」
私はその一言にあ然としました。
事前に派遣会社に骨折をしていたことを伝えていたにも関わらず、その営業マンは知らなかったのです。
情報共有がしっかりされていなかったのかは知りませんが、
そもそも人を紹介する仕事において、私の状況を知らないのはどうなんだよと思いました。
金さえもらえればそれでいいのか?などとも思いましたし、いくらなんでもひどいと感じました。
みなさんも私と同じような目にあわないよう、派遣会社をしっかり選びましょう。
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まとめ
インフラエンジニアは未経験者や文系の人でも下流工程の業務からやることになるので、始めやすい職種です。
開発や企画などの上流工程から見ると底辺に見られることもあります。
ですが、そもそもインフラエンジニアはシステムの土台となる部分にトラブルが起きないようにする仕事なので需要は確実にありますよ。
そして最も重要なのはスキルや能力よりも、まず最初にどの派遣会社を選ぶのかという部分です。
派遣会社選びに失敗すると、それ以降が大変になります。
しっかりと情報収集をしたうえで、優良な派遣会社を選べるようにしていきましょう。
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